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水犀開廊企画展「明明百草」に向けて
はいいろオオカミ+花屋 西別府商店

2019.3.4

古道具と植物、ひとつの場所に

南青山の路地裏にひっそりと建つアパートの一階奥。ロシアや日本の生活に根ざした古道具を取り扱う「はいいろオオカミ」と、生花だけではなく、あらゆる植物や自然物をミックスした提案をする花屋「花屋 西別府商店」とが融合したお店があります。

「店についても、ぼくたちの活動についても説明するのがむずかしいんです」と話すのは「はいいろオオカミ」店主の佐藤克耶さん。そこに「でも、説明できなくていいよね」と相づちを打つのは「花屋 西別府商店」店主の西別府久幸さん。互いにひとりで活動していたものの、「ふたりでやって生まれたものをみてしまったからには、一緒に活動するべきだと感じました」と佐藤さん。こうして、5年前にふたりでの活動がスタートしました。

古道具という”時間のとまった”「古」と、植物という”その瞬間を生きる”「生」。言わば、対照的ともいえる要素が共存した作品づくりをしているおふたり。イベントや展示会などにも数多く参加し、精力的にさまざまな作品を発表しています。

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水犀に係る二人だからこその展示を

水犀初の企画展「明明百草」は、開廊にあたり尽力してくれた2組にお声がけさせていただきました。パート1は、「はいいろオオカミ+花屋 西別府商店」。
「はいいろオオカミ」佐藤さんは水犀(店舗&ギャラリー)の設計を担当。一級建築士としても活動されています。築50年のオフィスビルの良い部分を残しつつ、心地よい洗練された空間に仕上げてくれました。「花屋 西別府商店」西別府さんは、プレオープン中の店内入口のメインシンボルともなる生け込みを担当してくれました。毎回、斬新な生け込みで、多くのお客様に楽しんでいただいてます。

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自然にうながされ、そこに「在る」ものになる

今回の企画展に向けて、「西別府が作品を作る際は、形が先にあるのではなく、あくまで素材(植物)に手を動かされる様に、 自然に促されて、そこに「在る」ものになって行く。そして、いつも、私が空間を作っていく過程には、パートナーである西別府の作品を展示するということが密かにイメージにあったりします。 その二つが混じり合った展示をこの『水犀』のオープニングに寄せて…自分たちの中に自然と湧き上がるものを表現出来たらと思います」と、佐藤さんからメッセージをいただきました。 企画展のテーマ「明明百草」に合わせ、植物をつかった立体造形やインスタレーション、照明などの作品が展示されます。また、佐藤さんが3月にロシアで買い付けてきたばかりのアンティークも展示販売を予定しています。 お二人が水犀をどのような空間にしてくれるのか、とても楽しみです。

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はいいろオオカミ + 花屋 西別府商店 プロフィール

佐藤克耶(さとう・かつや)
古道具 はいいろオオカミ 店主
店名はロシアの民話『イワン王子とはいいろおおかみ』から。
ロシアや日本の生活に根差した古道具を買い付けるほか、住宅やインテリアの設計も行う。

西別府久幸(にしべっぷ・ひさゆき)
花屋 西別府商店 店主
「はいいろオオカミ」での展示を機に佐藤と空間を共有。
木の根やキノコ、古木などを使い独自の世界観を表現するほか、活け込みや空間ディスプレイなども手がける。



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